学会活動

教育貢献賞

本学会は心臓血管病学研究の推進とその成果の臨床的普及を目指し、若手医師やメディカルスタッフを中心とした臨床教育を活動の柱としている。
そこで「臨床心臓病学の教育」をテーマとした第62回学術集会(会長:下川宏明)の基金をもとに「教育貢献賞」を設け、臨床心臓病学の教育活動に尽力された方を顕彰する。

受賞者一覧(2015年〜)

| 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |

2024年度 瀧原 圭子(大阪大学 名誉教授)
心不全および肺高血圧病態形成における新たな分子機構として炎症の関与を明らかにし、世界をリードする研究を行なった。また若手や女性医師のキャリア支援に積極的に関わり、現在も女性の心臓病啓発活動を精力的に行いながら、後進の育成を続けている。
2023年度 山科 章(桐生大学・桐生大学短期大学部医療保健学部、東京医科大学 名誉教授)
長年にわたりFJCC会員として学会活動に貢献され、2015年第63回学術集会では会長として充実した臨床教育のプログラムを実施、多くの参加者を得た。大学においても臨床心臓病学の教育と実践に尽力され、いち早くOSCE導入に取り組み、国内でのOSCEと診療参加型臨床実習の普及に貢献した。また心不全の多職種によるチーム医療推進に注力し、チーム医療推進セミナーを全国各地で開催した。現在は、桐生大学・桐生大学短期大学部副学長としてメディカルスタッフの育成に携わっている。
2022年度 赤木 禎治(岡山大学病院 成人先天性心疾患センター)
成⼈先天性⼼疾患診療において、⼀般の成⼈循環器内科医、看護師などの医療者、さらに患者・家族にも広く⾨⼾を開き、教育活動を⾏ってきた。2020 年からは⽇本成⼈先天性⼼疾患学会理事⻑として、我が国の成⼈先天性⼼疾患病学の教育・啓発活動を牽引、コロナ禍にあってもウェブを利⽤した教育講演を定期的に開催、その内容は学会員に限らず無料で公開されている。その⼀貫した姿勢は、本領域を⽬指す若⼿循環器内科医の育成につながっている。
和泉 徹(恒仁会新潟南病院 統括顧問、北里大学 名誉教授)
⼼不全の専⾨家として、多くの臨床医の教育・育成に携わってこられた。とくに重症⼼不全患者の診療においては、⾼度な知識を持つ専⾨集団による診療を実践することで、臨床教育のレベルアップに貢献した。また⼼臓リハビリテーションにおけるコメディカルとの緊密な連携、⼼⾎管病の⼆次予防の枠組みを作り上げたことで、地域医療の診療レベルを⼤きく向上させた。現在も精⼒的に活動を続けられ、後進の育成を続けている。
2021年度 百村 伸一(社会医療法人さいたま市民医療センター 病院長)
心不全治療においてエビデンスに基づく臨床を実践し、若手医師や医療スタッフの育成に尽力した。 内科治療のみならず侵襲的治療にも深い造詣をもち、心臓リハビリテーションを含めた包括的診療に積極的に取り組んだ。
2020年度 赤阪 隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)
全国的な臨床心臓病学の教育活動として、主に心血管インターベンションや心血管画像動態に関する多くの教育セミナーを開催し、ハンズオンセミナーやライブデモンストレーションコースを長年にわたり主導した。さらに国内のみならず、世界各地の病院・研究施設においてもワークショップを開催し、直接指導を行ってきた。アジア・中東・アフリカ各国から招いて育成した多くの若手医師は、その後、自国における臨床心臓病学の指導者として活躍している。
磯部 光章(榊原記念病院院長、東京医科歯科大学名誉教授)
全国共用試験OSCE評価プロジェクト委員長としてその制度設計に携わり、医学教育に模擬患者による面接実習を導入、心臓診察の標準手技の普及に尽力した。 また心臓病患者の診療における医師のコミュニケーション教育にも意欲的に取り組み、論理的な思考過程を学習することを目的とした電子教材を開発するなど我が国における医学教育の充実に大きく貢献した。加えて、心臓病に関する全国レベルでの市民公開講座を多数企画するなど啓発活動に尽力している。
2019年度 岩永 史郎(埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)
心臓病診療の基本となる画像診断に精通し、医師・学生の教育に尽力した。とくに心エコー図学の分野では指導者となる医師を多く育成、積極的に研究会などを企画することで 臨床検査技師の技術および診断能力の向上に大きく寄与した。
室生 卓(倫生会みどり病院 心臓弁膜症センター内科)
身体診察の教育のために研究会を設立し、多くの学会や全国各地の病院や大学において 身体診察に関する講演を精力的に行った。また多くの若手医師を受け入れ、ベッドサイドにおいて実地教育を行うなど、身体診察教育への取り組みは 我が国の臨床心臓病学における診断技術の向上に大きく貢献した。
2018年度 佐藤 徹(杏林大学病院 循環器内科)
毎年開催されている循環器physical examination講習会において、永年にわたり講師を務めるなど、衰退した心臓病診察手技を若手医師に再教育に尽力された。また肺高血圧症診療黎明期より診療に従事し、多くの後継者を育てるとともに啓蒙に努めた。
木村 一雄(横浜市立大学附属市民総合医療センター 循環器内科)
心臓病診療とくに救急医療現場において、病歴・身体所見・心電図・一般的なバイオマーカーから病態を明らかにするというスタイルで質の高い臨床研究を実施、多くの若手医師を教育した。研究成果を国際一流誌に数多く発表し、心臓病診療のガイドラインを作成することにより心臓病学の教育に貢献した。
2017年度 細田 瑳一(日本心臓血圧研究振興会)
米国で行われていたニューパスウェイを我が国で最初に導入し、少人数による参加型教育を実践するなど、長年にわたり日本の医学教育体制の整備に取り組んだ。また日本で初めて創設されたCCU において、冠動脈疾患に関する診療と研究を精力的に行い、そのレベルを飛躍的に向上させるとともに我が国を代表する多くの人材を育成した。
土師 一夫(市立柏原病院 循環器内科)
心臓病治療、特に冠動脈疾患の治療に精力的に取り組み、冠動脈インターベンションでは本邦におけるパイオニアの一人として活躍、また冠動脈疾患診療の指導・教育にも力を注ぎ、多くの後継者を育成した。その実技指導を受けた三百名を超える医師が、のちに全国で指導的立場となり多くの後進を育てている。
2016年度 児玉 和久(大阪警察病院名誉院長/大阪暁明館病院 循環器科 特別顧問)
日本の臨床心臓病学の黎明期より臨床教育の重要性を深く認識、世界に通用する人材の育成を目指し、数多くの講演・セミナーを行い医療者の教育に取り組んだ。同時に、臨床教育の一環として若手医師やメディカルスタッフとともに、研究活動の実践にも精力的に取り組んだ。
赤石 誠(東海大学医学部付属東京病院 循環器内科/東海大学 循環器内科)
我が国で臨床教育が重視されていなかった1980年代より、エビデンスに基づいた臨床を実践し、若手循環器内科医にEBMの臨床教育を行ってきた。以後、30年の長きにわたり循環器臨床教育に熱意を持って向き合い、教育活動に力を注ぎ続けている。
2015年度 高階 經和(高階国際クリニック/公益社団法人臨床心臓病学教育研究会)
心臓病患者シミュレータ「イチロー君」を開発し、世界に広めたことは、臨床心臓病学の教育・発展に大きく寄与した。また臨床心臓病学教育研究会を創設し、医療関係者への教育研修活動や一般市民に向けた心臓病・生活習慣病に関する知識の普及、啓発活動を永年にわたり継続している。
木野 昌也(北摂総合病院/公益社団法人臨床心臓病学教育研究会)
普遍的な観点から診療に当たるという信念のもと、ベッドサイドにおける聴診を始めとした実地診療を重視した教育に携わり、教育活動の場を広げるために、臨床心臓病学教育研究会の設立にも尽力した。近年は医学生の留学や看護師の研修など、海外との教育交流にも力を注いでいる。

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