DES時代における重症冠動脈疾患に対する 至適冠血行再建
  ― 遠隔期成績からみたPCIとCABGの比較―


浅野 竜太1,* 渡邊 雄介1 住吉 徹哉1 福井 寿啓2 高梨 秀一郎2

Ryuta ASANO, MD1,*, Yusuke WATANABE, MD1, Tetsuya SUMIYOSHI, MD, FJCC1, Toshihiro FUKUI, MD2, Shuichiro TAKANASHI, MD2
  1榊原記念病院循環器内科,2 同心臓血管外科
■要 約■
目的
3枝または左主幹部(3V/LMT)病変に対するPCIとCABGの遠隔期成績を比較する.

対象と方法
2005年から2007年に当院で3V/LMT病変に対して冠血行再建術を施行したPCI群63例とCABG群578例の遠 隔期脳および心血管事故(MACCE:総死亡,非致死的心筋梗塞,脳血管障害,全ての再血行再建術)をKaplan- Meier 法で比較検討した.

結果
PCI群では脂質異常症,不安定狭心症が多く,心筋梗塞の既往,慢性完全閉塞およびLMT病変は少なかった. SYNTAXスコアはPCI群で低かった(21.1±8.8 vs. 28.8±9.2,p =0.0006).3年死亡率は両群間に有意差を認め なかったが,MACCE(37.4% vs. 18.9%,p=0.0001),再血行再建術(20.4% vs. 6.5%,p =0.0001)および非致 死的心筋梗塞(6.6% vs. 1.7%,p =0.006)はPCI群に高率であった.

結論
off-pump CABGによる3V/LMT病変例の遠隔期成績は,欧米で行われている従来のCABGよりも優れた遠隔期成績 を得られる可能性が示唆された.

J Cardiol Jpn Ed 2011; 6: 311 – 315