リアルタイム3次元心エコー法による 左室局所壁運動異常の定量評価

Quantitative Assessment of Left Ventricular Regional Wall Motion Abnormality from Real-Time Three-Dimensional Echocardiography

安保 浩二1,* 穂積 健之2 福田 祥大2 麻植 浩樹2 石橋 千佳1 木村 信勲1 松井 深香1 藤岡 一也1 中尾 満1 小川 景太郎2 大塚 亮2 杉岡 憲一2 竹内 一秀1 葭山 稔2

Koji ABO, RMS1,*, Takeshi HOZUMI, MD, FJCC2, Shota FUKUDA, MD2, Hiroki OE, MD2, Chika ISHIBASHI, RMS1, Nobunori KIMURA, RMS1, Mika MATSUI, RMS1, Kazuya FUJIOKA, RMS1, Mitsuru NAKAO, RMS1, Keitarou OGAWA, MD2, Ryo OTSUKA, MD2, Kenichi SUGIOKA, MD2, Kazuhide TAKEUCHI, MD, FJCC1, Minoru YOSHIYAMA, MD, FJCC2
  1 大阪市立大学医学部付属病院中央臨床検査部,
2 大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学
■要 約■
目的
近年のリアルタイム3次元心エコー法(RT3DE)では,左室16分画に対応した時間‐容量曲線の作成が可能である. 研究の目的は,RT3DEにて評価される左室局所駆出率から,左室局所壁運動の定量評価が可能か検討することにある.

方法
左室局所壁運動異常を有する虚血性心疾患69例に対し,RT3DEにて左室全体の画像記録を行った(Philips 社製, iE33).記録された3Dデータより,左室16分画に対応する時間・容量曲線を作成し,各分画の局所駆出率(REF)を 算出した.断層図からの熟練者による各分画の左室局所壁運動の評価(正常・低収縮・無収縮)と,RT 3DEによる REFとを比較検討した.

結果
3D画像解析が可能であった52例,計832分画における左室局所壁運動異常の内訳は,400分画(48%)で正常(N 群),232分画(28%)で低収縮(H群),200分画(24%)で無収縮(A群)であった.各群のREF間には有意差が 認められた.ROC解析にて,REF 49%により,N群とH群を感度81%・特異度77% で判別可能であった.また REF 31% により,H群とA群を感度 78%・特異度 79%で判別可能であった.

結論
RT3DEから得られた左室16分画に対応する左室局所駆出率から,左室局所壁運動を定量的に評価できる可能性が示 された.

J Cardiol Jpn Ed 2011; 6: 204 – 208