血管内視鏡によるDES留置後のステント内血栓と バイオマーカーとの関係について


高山 忠輝* 廣 高史 市川 誠 川野 太郎 齋藤 穎 平山 篤志

Tadateru TAKAYAMA, MD*, Takafumi HIRO, MD, FJCC, Makoto ICHIKAWA, MD, Taro KAWANO, MD, Satoshi SAITO, MD, Atsushi HIRAYAMA, MD, FJCC
 
日本大学医学部内科学系循環器内科分野
■要 約■
Drug-eluting stent(DES)による再狭窄予防効果は,従来のstentに比較し著明に改善した.しかしながら,再狭窄の原 因である内膜増殖を抑制した反面新生内膜の再生が遅延した.これが,遅発性ステント血栓症の一因として認識されている. 一方,血管内視鏡は血管内腔を観察し,ステント内膜の観察と血栓の検出に優れる.ステント留置後には局所炎反応が確認され, 内膜障害,不安定プラークを有する患者では炎症反応が上昇していることが知られている.そこで,第1世代DESである Sirolimus-eluting stent(SES)とPaclitaxel-eluting stent(PES)の留置後の慢性期の観察による経時的な比較とバイオマー カーの変化を所見と比較した.SESあるいはPES留置後のrestudy 時に血管内視鏡にてステントを観察し得た72症例(138ス テント)を対象とした.血管内視鏡にて赤色血栓の有無,新生内膜の状態を評価した.また,バイオマーカーとして末梢血 CRPおよび酸化ストレスの評価として冠動脈血を採取し,ヒドロペルオキシド反応物質を測定し内膜化と比較検討した.結果 として,赤色血栓有する症例で,血栓を検出しなかったものに比し有意にマーカーは高値であり炎症の関与が考えられた(CRP: 0.33,0.17,p =0.034).また,新生内膜が遅延しているlow grade(グレード0, 1)の症例では,high grade(グレード2, 3) の症例に比し有意に酸化ストレスが高かった(FRAS4:407.6,329.5 CAAR U,p =0.035).このことから,DES内の血栓 は内膜化遅延と炎症に関連していることが示唆され,遅発性血栓症の予知マーカーの1つとなる可能性があり,今後さらに臨 床的な検討が必要と考えられた.
J Cardiol Jpn Ed 2011; 6: 293 – 298